本小松石の世界
本小松石の歴史
【本小松石】は、香川県の「庵治石」、茨城県の「稲田石」と並んだ日本三大銘石のひとつで、神奈川県足柄下郡真鶴町でしか採掘できない石種です。
今から約40万年前、箱根火山の噴火によって、その地形が形成。その時、地表に流れ出した溶岩が急に固まったものが、小松石の原型である安山岩になっています。
耐久性・耐火性に優れ、磨くと滑らかな肌触りとなり、独特の色味を出す本小松石は、天皇家はじめ宮中では古くから墓石といえば本小松石というほど、古くから重宝されている石となっています。
「小松石」の由来
真鶴で、石材業が「伊豆石」「相州石」と言われた平安末期の1156年頃に、土屋格衛によって始められたと「石工先祖の碑」（真鶴町指定文化財）に記され、江戸時代になると、『小松石』と呼ばれるようになり、芝、増上寺の石材見積書の中にもその名前が現れました。
その由来は真鶴町の旧岩村の小松山からきていると言われ、「小松山から取れる石材」から「小松石」と呼ばれるようになりました。今日では真鶴以外の産地の石にもその名がつけられることから真鶴産の石は特に、「本小松石」と呼んでいるのです。
本小松石の特徴
掘り出されたままの安山岩に分類される本小松石は、茶褐色の皮に包まれていてます。
目が細かく、研磨すると独自の灰色から淡灰緑色の密な石面が現れます。
石質は硬く、耐久性、耐火性に優れていて、わずかに緑がかった灰色が最上級とされています。
墓石としての本小松石の魅力
【墓石】としての小松石の魅力は、時間の経過と共に変化していくところです。
それが二つと同じものが無い程に、それぞれ原石が持つ個性を石の表面に、その姿を表していく様は、他の同じよう墓石ではみることが出来ない変化です。
それはあたかも人間の生涯を表しているかのようです。